ターコイズ千夜一夜物語(0002)ターコイズという石について

ターコイズという石について。

ターコイズは、古来から宝飾品として世界中で用いられてきた石です。有名なところでは、エジプトのツタンカーメン黄金の仮面にも使われています。

あまり知られていませんが、ターコイズ(トルコ石)は和名トルコ石なのにトルコでは採れません。イラニアン ターコイズ(ペルシャ)からヨーロッパへトルコ経由で運ばれ、トルコから来る石と名前がついたそうですが、「なんでそのまま和名にしたん?」といまだその命名の無知さに疑問に思ってます。スタブライズド処理(樹脂浸透)していない天然のターコイズは、汗や油が染み込むので年月の経過に伴い色が濃くなり良い味がでます。(多孔石の為)ネイティブ アメリカンは、これを「成長する石」ととらえて親やおじいさんのターコイズを大切にしました。若者の身に着ける護り石は、色が浅く、勇敢な戦士になるに従いターコイズの色も濃く変化したのでしょう。

スタブライズド処理のしたターコイズは、経年による色の変化は楽しめません。宝飾品としては、変色しない方がよいので大企業から売られているターコイズはこの処理がされます。これは、商品の品質を保つという理由だと考えられます。(インディアン・ジュエリー用ではない)また、スタブライズド処理と似たような性質の特殊な天然のターコイズも存在します。かなり珍しい条件下のみで産出し、クォーツを含み透明度のあるハイグレードの天然ターコイズで、「珪化ターコイズ」と呼ばれるとてもレアな半透明のターコイズ、部分的に半透明なもの全体的にクォーツが浸潤したものなども極稀に存在します。

それは、クォーツが浸潤したジェムシリカと同じかそれ以上に珍しいものなので入手難です。天然石屋でも、相当数の天然ターコイズの仕入れ量がないとそんなモノは見つからないのです。私も研磨していて気がつくことがある程度ですが、年間数百の天然ターコイズを研磨をする私ですらこの数年で、20個くらいでしょうか。つまり0.5%くらいの確率で見つかることがあります。USAでは、スタブライズド処理したターコイズは、ナチュラル(天然石)として扱われます。エンハンスド処理(強化)とも言われます。日本人の天然とは意味が異なります。

ただ、エメラルドのオイル浸透(洗剤で洗ってはいけない)とか、ルビーの火焔処理(色上げ)ダイヤモンドのブルー(加熱処理でつくる)、それ以外にも放射線を照射(色変化)など宝石には様々な処理を施されているものも多く存在するのです。真珠の色調整など、処理が当たり前(宝石屋)ですが、そのような一般人にあまり知られていない処理よりもターコイズのスタブライズド処理(樹脂浸透)は、有名なようで嫌がられたりします。グレードの低い(クォーツなどを含まないような)いわゆるチョークと呼ばれるターコイズはスタブライズド処理(樹脂浸透)など行い硬度を上げて使える様にすることがあります。色が淡いので、慣れると見てわかります。

これを日本の有名店販売されているすべての真珠のように色調整してしまうのが、ダイド処理(染色)というもので、(dyed)中国産のターコイズに用いられる技法です。また、ベースの石がハウライトやマグネサイトが用いられることがあり、もはや中国、チベット産ターコイズの信用、その価値、価格と共に地に落とす結果となっている安価なターコイズもどきが天然石屋さんの話術で、国内のシェアの大部分を占める惨事となっているのが現状なのです。もちろん、これらを天然で扱う良心的なお店も存在するのかも知れません。ニセモノが多すぎて、わからない(判別しにくい)のが、現状のようです。

日本のターコイズ市場ですが、やはり円安の影響を大きく受けます。さらに、ターコイズは銅の副産物なので当然のことながら、銅山が掘りつくされて閉鎖と共に市場にでなくなります。こうした不安定供給、色合いがグリーンからディープブルーまで幅が広く安定供給ができない。価格が高騰しやすい。そんな理由から天然石屋はアジア方面からターコイズもどきを安価で仕入れるということになるわけです。これが、この国のターコイズの70%以上は、ニセモノが蔓延する原因となったわけです。

そして、「本物の天然のターコイズ」を売りたい!と考えた愚かなターコイズ屋は、USAの鉱山へ掘りに出るというリスクの高い(掘れる量、質が保証されない、仕入れ値段が高い)、利益の少ない商売を楽しんでいる?という事になるわけですがこれも、いつまで続くか保証できません。それは、ターコイズ自体の産出量、価格の高騰、為替(円安)の影響を直接受けるからです。購入しても輸入して税金(関税)をとられ、時間をかけて研磨しても販売しても税金をとられ、販売してもシステム利用料まで搾取されるわけですから、利益なんてあったもんじゃないというのが現状です。

フォアテイルズフォックス