ターコイズの美学

ターコイズの美学

ターコイズ(和名:トルコ石)は、銅の副産物として鉱山で採掘され砂漠で採れる水の石として珍重されました。古くはエジプトの時代、古代プエブロ族(ネイティブの前の時代)などその青く美しい石はとても貴重なものでした。しかし、それらは採掘量が多くない為市場を潤わすほどにはなりません。鉱山も鉱脈を採掘しつくすと閉山して終わるということを繰り返しています。限りある資源という点でも天然の青い石という意味でもとても貴重なものです。

近年では、中国産のニセモノ、染め物、人工物が市場にあふれその結果、それらを扱う業者はターコイズは水に弱いなどと吹聴することで色落ちを防ぐありさまです。ターコイズの本物を見たことがない人々はそれを信じてターコイズという石を誤解したままとなります。研磨していて一番美しいと思うのは、ターコイズが濡れている場面です。そして、その中に含有されるクォーツ、パイライト、マラカイト、バリサイト、母岩の色の変化でいろいろな表情の変化を見せます。そんな面白さもまたこの石の魅力の1つです。

ネイティブに愛されるこの石はシルバーに映えます。また、さまざまな言い伝え、伝承もありそれらも神秘性をこの石に浸み込ませている事も魅力の1つです。

その例として、「虹の足元にターコイズが生まれる」という伝承がありますが、実際に砂漠地帯に行ってみると灼熱の大地には砂ぼこりが舞い枯れた広大な大地を見にします。ターコイズを探すためには、どうすればよいか?そんな知恵がこの言葉に含まれています。虹が出るためには雨が必須です。雨が降った場所は砂ぼこりが流されてターコイズの鉱脈を地表から探せることがあり、ターコイズ ハンターと呼ばれる人達は、鉱脈を探すために水を撒いてターコイズを探します。

市場にニセモノが多すぎて、本物のターコイズはやはり原石から自分で研磨する以外は信用できないような状況です。アクセサリーの石を入れ替えて欲しいと言われターコイズだと思っていた石を外すと「青いプラスチック」だったという笑えないシロモノも見たことがあります。

ツーソンでもそうですが、ターコイズのニセモノは多く売られています。中国人のバイヤーは平気で嘘をつきます。染めてあっても「ナチュラルだ」と言うのです。最近ではアメリカ人を雇い店頭に立たせているお店もあるほどで油断も隙もありません。キッチンペーパーの上でアルコールなどの有機溶剤をかければ赤い染料がにじみ出たこともあります。ツーソンでターコイズを仕入れるとしても、ターコイズをよく知らなければ買ってはいけない。私はそう思います。

数年前に東京のインディアンジュエリーのお店で買ったホールマーク入りのバングルがありますが、これに付いている石が最近になってニセモノだと気が付きました。インディアンジュエリーだからと言って信用してはいけない。USAですらそんな状況なわけですから、いかに本物のターコイズにこだわって仕入れることの重要性がわかると思います。

身に着けるなら、本物のターコイズでなければ意味もありません。

その価値基準の曖昧さもターコイズの特徴です。藍色~ダークグリーン、ライトブルーからライトグリーン、地質の影響を受けるので鉱山によりその特徴はさまざまです。大きくわけるなら、アリゾナ州では青いターコイズが多く採掘され、ネバダ州ではブルーグリーンなターコイズが多く採掘されます。スパイダーウエブ、母岩の色、バーズアイなどもその価値をあげる要因です。それは、稀少性によるもので、さらに採掘量、市場の流通量などによっても価値は変動します。

クォーツが浸潤し、ディープブルーで光沢のあるターコイズ。高級な貴重なターコイズにこだわることも「ターコイズの美学」の1つでもあります。逆に本物でも価値のないものもあります。それらは、「チョーク」と呼びますが、色も淡くチョークのように柔らかいものを指します。ターコイズを知るためにはそういう低品質のものも知る必要があります。研磨している時点でその価値を知るこれもターコイズの美学なのです。

フォアテイルズ(不許複製、2017)

 

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